CIAのクラウド案件でIBMに競り勝った、アマゾンAWSの変節
http://wired.jp/2013/06/23/amazon-cia/
AmazonがIBMに競り勝った という部分が象徴的なニュースだ。プライベートクラウドなど本物のクラウドではないと嘲笑していたAmazonがCIA のデータセンター内にクラウドを構築するのは変節なのか矛盾 なのか今の段階では憶測しかできないようだが、CIAのデータセンターを手がけること自体が同社の戦略の変更を意味するのは間違いない。
最近特にAWS(Amazon Web Services)の名前をあちこちで耳にするようになった。
企業の情報サービスの中核でAmazonへの依存度が高まるにつれ、企業の基幹システムを自前のデータセンターで構築する案件をビジネスにしてき たメーカーやSI企業は確実に勢いを失っていると思われる。
従来の情報サービスの構築で、まず固定的なコストとして重くのしかかってきたサーバの運用コストをAmazonは初期コストなし低価格のランニン グ・コストで提供することに成功した。しかもサーバはスケーラブルであり、負荷によって 様々に設定を変えながら刻々と変わる運用条件に対応する。
迅速にシステムを構築し即効性のあるうちにサービスを展開したい企業にはこれを忌避する理由がないようにさえ思える。
もちろんそれだけのインフラを整えるにはデータセンターの設置を始め巨額の投資が必要になるわけで、AmazonとしてもAWSでようやく利益を叩き出せるようになったかどうかというところなのではないだろうか。
これまでの流れからして、これからはこれはあなたのサーバー、あれは私のサーバーというようにサーバーの運用はよりパーソナル用途になるかもしれないと考えている。
今の所誰にも簡単にサーバーを設定できるものではないのでそれなりのノウハウを持って運用はプロが行うようになっているが、いつまでもこのままというわけではないはずだ。
おおよその機能を搭載したセキュアなサーバーを個人が簡単に購入でき、思うように運用するようになるかもしれない。
そうした段階になればAmazonが本を売るのと同じように簡単にクリック一発でマ イ・サーバーを販売する、というよりむしろAmazonが積極的に牽引するのではないだろうか。
多くの人がAmazonにサーバを構築して、そうして彼らが得られるものは何か?
それはさらなるコンシューマーの情報に他ならない。
今回CIAのクラウドサービスをAmazonが手がけることと、AWSの今後の行く末がど うリンクするのかはあくまで個人的推測だけれど、場合によっては政府や諜報機関による情報監視に大きく関与する可能性がある。
サーバへのアクセスの記録によってどういう国、団体、組織と繋がりがあるか、 そんなことを誰かがコマンド一発でチェックしている絵が浮かんでしまうのだ。
自分が能動的にアクセスしたものは当然、向こうからやってきたものも丸見えである。
これらの情報がどう平和的に利用されるというのだろう。
これから先の流れがこの予測と全く異なることを願うばかりだ。