http://wired.jp/2013/06/08/john-mcafee/
これは数年後には映画のネタにでもなりそうなエピソードだ。
マカフィー自身の話と周囲の状況がほぼ全く一致しない。
彼自身ドラッグ漬けなのかクリーンなのか当局に監視されていたのは事実なのか 妄想なのか、何もかも世の中との間に矛盾を抱えている点、多くの点が謎のまま彼は面白おかしく映画の中で現代版のカーツ大佐として登場するかもしれない。
まるで映画のダイジェストシーンが見えるようだ。
姿をくらましている彼をハッカーが追うなんていうフィクションにしてもいいかも。。。
ともかく、この記事で最も興味深かったのは、「誰かに攻撃されるかもしれな い」というマカフィーの神経質な恐怖心、そしてその心理から生まれたウイルス対策のソフトがヒットしたという事実。
ウイルスはいつやってくるかわからない。
あるいはやってこないかもしれない。
しかしPCにインストールしあらかじめ防御をすることでこの恐怖心がいくらかで も軽減される。
またその安全は永遠ではなく、新種に対する防御をするために常に最新バージョ ンの状態で対策するよう心理誘導する。
マカフィーはこういうことにはうってつけの人物だったということだ。
もちろん自分の頭に弾の入った銃を向ける意図は誰にも理解できるものではないが。。。
今回の事件の重要人物、狂犬と呼ばれるマカフィーがそのビジネスの重要人物だからといって、もちろんウイルス対策の重要性が損なわれるものではない。
しかしウイルス、マルウェア、フィッシングとインターネットを取り巻くリスク の対策を講じるその基本心理はやはり「恐怖」であり、これを突き詰め ればそうした種類のソフトウェアの中にはマカフィーがベリーズで苛まれていた異常な ほどの警戒心であると思うとゾッとしてしまうのだ。
インターネットに接続するサーバの管理などもしてみると、四六時中何かのアク セスがある。
その多くは不正にサーバーを乗っ取るべく総当たりでアカウントの情報を盗もう としているものだ。
安易なパスワードなどを設定していると簡単に侵入されて知らぬ間に悪事をはた らく一味に手を貸すことになってしまう。
そうした悪意のある者が数多く攻撃しかけてきている生々しいアクセスログを見 ていると、認証や暗号化の仕掛けなども軍事的な目的で開発されてきた技術が一般に流用されているという事実に納得できる。
そろそろインターネットからの脅威をより堅牢に健全に防御をするための新しい 仕組みがあってもいい頃だと思う。
移り変わりの速い情報技術に世界において10年以上同じ方法論で存在するもの は既に仕組みとしては陳腐化していると理解すべきだと思っている。
ソフトウェアパッケージを有償で購入させ、ウイルスの検出に関するデータやモ ジュールを最新に保つため提供し続け、一定期間で再度購入するというビジネスはすでに前時代のものだ。
恐怖心を煽られひたすら防御するよりも、ネットワーク全体でそもそも悪事を働 くメリットがないようになればいいし、そうした仕組みが早く導入されるべきだと思う。
だって、インターネットがみんなの恐怖心、猜疑心であふれていると思ったら居 心地がよくないから。
まずはV6への完全移行が先かな。