http://wired.jp/2013/04/17/windows-on-your-wrist-microsoft-is-working-on-a-smart-watch-too/
アップルが開発してるという噂で話題になったスマートウォッチ。
実はマイクロソフトも参入ときいても、なぜかあまり興味が沸かない。
スマートフォンの隆盛を手始めにさらに大型化したタブレットが投入され、7インチ大の小型タブレットも大きく伸びを示している現在、こうした端末 のサイズと機能は多様化の時代に入ったといえる。
スマートウォッチというと、時計サイズなわけで、これらのラインナップの最小サイズのプロダクトということになるだろうか。
スマートフォンも最初に手に取った時は大きな端末だと思ったが、その使い方が大体わかってくると、情報端末としては手狭な感じがするのは私だけで はないだろう。
特にスマートフォンでPC用のサイトをやむを得ず開いたとき、画面のレイアウトはもちろん大きなモニタを想定しているから、小さな画面では縦横斜 めにスクロールして見るしかない。
スクロールしながらでもまだ見れればマシで、場合によっては非常に小さなフォントの文字を目を細めて読むことになったりする。
このような需要にタブレットが答えている面もあり、携帯端末でもウェブの世界が必須となった今、情報にはそれなりの物理的面積が必要だということ は間違いない。
スマートウォッチに興味がわかないのは私の場合まずこの点だ。
デバイスの面積は非常に小さい。
つまり画像や文字情報を扱うには向いていないわけだ。
面積を必要としない情報であれば用途が開けるが、面積が必要なしデータとなると音声のデータなどに限定されてくる。
時計サイズで良質な音質を提供できるデバイスが可能なのだろうか、そこは疑問だ。
次に情報端末といってもセンサーや計測器の類の端末という用途も考えられる。
光、温度、湿度、匂い、あるいは画像の情報など、文字情報とは異なるカテゴリの情報を扱う送信側デバイスとして特化する可能性がある。
しかし、そうしたセンサーのような回路を小型のデバイスに収納するのはなかなかに技術的なハードルも高く、端末のコストも高くなってしまうのでは ないだろうか。
情報の方向は端末側からの発信が主体になるので、結果的にどうだったのかを処理された状態で別のデバイスから確認するなどの段階をふむことが前提 となるだろう。
あまり新しい時代のデバイスとしてわくわくする展開があるようには思えない。
そして、もっとも気になるポイントは、元々携帯するデバイスとしての時計に情報端末の機能が付加されてもそこにイノベーションを感じない点。
なんでも情報化すればいいというものでもない。
むしろこれまで情報とは疎遠であったはずのトイレの便器とか家のドアとか蛍光灯とか、そういったあまり注目されなかったものを情報化する方がイノベーションとしては意味があるように感じるのだ。
元々の製品の存在意義を変革して新しい価値を創造する展開こそが真に新しいものなのだ。
その点でカップラーメンもWalkmanもiPodは新しかったといえる。
だから家庭や職場などで毎日の生活の中で情報として埋もれていくばかりのトイレやドア、電化製品の使用状況データとかそういった情報の価値はそれほど捨てたものではない、というより今後重要度を増してくるとも思うのだ。
今更腕時計に何かしてもらうことはあるだろうか。
まさに全否定になっているけれど、そういう心で見るせいか記事でにこやかに微笑むビル・ゲイツ達の写真に華がないなあと思ってしまう。
数年前のマイクロソフトの勢いと今のそれでは雲泥の差を感じる微妙なショットだ。
勘ぐりすぎだろうか。yukusue