「海底ケーブルの世界地図」最新版
http://wired.jp/2013/02/04/new-map-shows-how-the-internet-will-travel-underwater-in-2013/
世界中の海底ケーブルの載っている地図を以下のURLで確認できる。http://submarine-cable-map-2013.telegeography.com/
これをみると、広いはずの世界が四畳半くらいの部屋に詰まったような狭さを感じる。これだけの長さのケーブルを海底に施設していくのは今更ながら途方もない。
一時期ケーブルを鮫がかじったとかで東南アジア方面と通信が不通になったりしていたが、こうしたことを想定して迂回路、さらにその迂回路と冗長化していくとさらにこの地図は線だらけになることが容易に想像できる。
現状でみて「なるほど」と思うのはアジアでは香港、上海、台北などとともに東京や大阪方面へのケーブルが密集している。
産業が活発な場所にはそれだけ回線が必要という、経済活動の活発さの目安にもなっていると思う。
個人的に意外だったのはインドから中東を通って地中海、アフリカ北岸に伸びるルートの充実具合で、まるで中世のイスラム圏の海域のようだ。
スエズを超えて地中海とインド洋を結ぶ商業ルートが閉ざされていたからこそ、ヨーロッパ人は十字軍を企て、やがてアフリカ南端経由の航路とたなぼたでアメリカ大陸に遭遇したのだ。
地図的にこの辺りが中心になっているから目立つこと甚だしいが、このラインは中世と似た紛れもない現代の世界の金とモノの流れの一つの現状を表していると考えるべきだ。
日本から遠い海での話ではあるが、インド−中東−アフリカ−ヨーロッパの結びつきはアメリカ中心の経済圏、アジア経済圏など他の地域にとっての大きな脅威であるはずだ。
また、これとは違う意味でアメリカ西海岸のスカスカ具合は意外だった。
数多くのIT企業が集まるシリコンバレーがあるというイメージからするとこれはどうだろう。
シリコンバレーという名前に惑わされているだけかもしれない。
既に世界中にデータセンターなど拠点が点在するクラウドの時代ならば、確かにアメリカ西海岸に回線を集中させる意味はない。
つまりこうした拠点がインドや中国に集中しているのだろう、と読むことができる。
また、中米カリブの付近にも回線が思ったより密集しているし、ここもその予備軍なのかもしれない。
かつてキューバ危機などアメリカとソ連の代理戦争が起こる寸前までいったこの地域も、既に半世紀を過ぎて当然新しい時代に入っている。
中米は次の時代の牽引役かもしれないと思っている。
この地図は世界の動きがわかったような気になれる優れものだ。
それにしても、海底のケーブルの耐久年数はどれくらいなのかな。