序章 レビューの観点を絞り込むと効果は上がるか
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20120808/415153/
@nikkeibpITproさんから日本には俳句という文学がある。
五七五の簡潔な言葉で情景や感情の表現などを凝縮する高度な言語力を求められる芸術だと思う。
極限にまで簡潔に絞られた言葉で多くの情報が語られるわけである。
さて、設計レビューはことのほかキツい作業だ。
ソフトウェアの開発プロセスの工程の前の方で問題を摘出しておいた方が問題の修正にかかるコストが低いことから、設計時の問題は設計工程の中でレビューという形でチェックするのが普通だ。
しかし、設計書といっても国際規格で「こういうもの」と決められているわけではない。
この設計書が仕様とあっているかをどのようにチェックするか、その具体的な方法はプロジェクトの数だけ、レビューする担当者の数だけあるといってもいい。
観点をより明確に絞ることで設計レビューとしての精度を上げようということだが、レビューする担当者の負担も軽減する、しいてはプロジェクトのコストの負担をも軽減する試みでもある。
そうはいっても、誤字脱字だらけ、意味不明なチャート満載の設計書などなら、本質的な部分はまったく見えてこない。
無理にレビューしても体裁の部分だけ指摘事項が挙がるだけで逆効果になる。
やはり前提として、ある程度の文書としての質が必要ということなのだ。
文章力、あるいは言語力というのか、まず言葉を使って物事を表現することにもっと普段から注意を傾けていくことが大事だ。
私の場合、日本語で書かれたドキュメントを初めて英語に翻訳したときに言語力の乏しさに愕然としたものだ。
それから、なるべく文章に触れるようにしているが、依然道半ばのまま、的確な言葉で的確に相手の理解を助ける表現方法というのは奥が深いと感じる。
そのうち、システムの世界でロジックを表現するならば言葉よりチャートや表など見たまま論理的である表記が優れていると思った。
その形式ならば、万が一言葉の間違いがあっても大きな誤解は避けられるかもしれない。
旧来の文章で書き連ねる設計書よりUMLなどの記法が優れているのはこういった直観的効果だと思う。
その内容はあれこれと例外的な内容を細々と書き入れるよりも簡潔な方が効果が上がるだろう。
これは俳句の世界と同じ究極のシンプルな表現の世界でもある。
何を書いて何を書かないか。
この鍛錬は書く側にも書かせる側にも必須のスキルだと思う。
ここで急に思い出した。
文章の表現ということでは、バーバラ・ミント氏のピラミッド原則なども参考になるかもしれない。
情報を整理するための素晴らしいメソッド。