今回の東日本大震災はわが日本においては最大の天災となり、犠牲者の数でも残念なことに16年前の阪神大震災をはるかに上回る大惨事となってしまった。
今なお多くの被災者は避難所生活を余儀なくされているし、余震の脅威もまだ消えない。そして今は福島第一原発の被災による放射能汚染の影響が日本のみにとどまらず世界各国に及んでいる。
最初に地震と津波が報じられてからこれまで、政府の発表、新聞・TV等メディアの報道など本来国民が信頼すべき情報源がその信頼を失っていくプロセスを体験することとなった。
政府の「安全」というコメントにしたがって行動することにリスクがあるのは疑いの余地がない。たとえば3/27のニュースで、福島第一原発の近くの海水でヨウ素が基準値の1850倍との報道があったが、これを補足して直ちに人体に影響が出る値ではないとのこと。基準値の1000倍以上で人体に影響がないなどという情報にどれほどの信憑性があるのだろうか。
まさに各個人がそれぞれの判断でどうやって生き延びるかを考えなくてはいけない事態になってきていると思う。
地震発生からほぼずっとツィッターの状況を注視しているけれども、上記の政府発表や既成のメディアからの情報よりもずっとリアルでタイムリーだし、内容も理解できるものだと感じる。もちろんこの中にも意図的に不要な情報を拡散させるようなものが混じることは否めない。しかし、情報のトータルな質の点ではずっと信頼がおける。実際ツィッターの情報を元に救助隊が多くの被災者を救助した実績もある。
数週間を経過した今現在でもネット上で確認できる情報の方がよほど信頼に足ると実感する。
災害時に限らず常時的に有効な情報源としてネットが大きな意味を持っている、そのことを奇しくも証明することになったのが今回の災害であったと思うのである。
いわゆる御用学者が何といっても、各情報から客観的に判断すれば現在の状況は、特に東北から関東では極めて危険なレベルにある。政府は「安全だ」などと虚言を垂れ流すのはやめて国民の健康を守るための対策をただちに実行しなければならない、そういう段階に入っているのは間違いないと私は判断している。
もちろん当局がこうしたネット世界の動きを永久に放っておくことはありえないから、いずれ統制の手が入り自由な情報伝達も一部は阻害されるかもしれない。
たとえばすでに海外での「チェルノブイリ並み」という報道に「騒ぎすぎ」という論調がある。これが果たして根拠があるものかどうか、自分の目でみて頭で考える必要がある。私は海外の専門家の意見がなぜそんなに無視されるのかが理解できない。
恣意的に情報が歪曲されている可能性はないだろうか。考えてみてほしい。
ネット世界で情報を得ることを学んだ我々は今度は情報を活用することを学ぶ段階に来ている。
情報の真偽を判断し自分自身が生きるために利用しなくてはいけない。
でも、我々はもう一人ぼっちではない。みんなで大きな一歩を踏みしめて進んで行けるはずだ。