恐竜はいまも絶滅していない──生き残りをかけた恐竜たちのある試み
http://wired.jp/2014/07/21/adaptive-radiation/
鳥類の形そのものから恐竜たちの末裔であるかどうかを連想するのは困難だが、足を見れば鳥類のそれは恐竜のものであることがわかる。
6000万年くらい昔の地球は恐竜が支配する世界であり、その恐竜が突如姿を消したことで哺乳類の繁栄が始まったといわれている。
隕石の衝突によるといわれる環境の激変により確かに多くの種は5500万年前くらいに死滅しており、その多くはまさに恐竜だった。
しかし、その絶滅の時には恐竜は最大限に多様化しており、高度な呼吸システムの発達と自身の軽量化という進化の極地まで進んだその一部が鳥類の元祖であったとすれば、それが現在の鳥類の繁栄の元であるというなら、恐竜は絶滅していないという見方は正しい。
つまり古い種は死滅して究極の生活環境、空を手に入れることのできる種に恐竜は進化してしまったのだ。
哺乳類の進化の歴史も多くの驚くべき発達ステップがあるが、空を自由に飛べる種はコウモリくらいのもので、鳥ほどの多様性を獲得しているとはいえない。
この点で進化の完成度は恐竜ならびに鳥類に一日の長があるといえる。
人間を始めとする哺乳類の未来は決してバラ色ではない。
地球自体が歩んでいる大きな流れでの気候や地核の変動、人間自身が引き起こした環境問題など様々な生き残りの課題に対して、我々は答えを出すこともできないし自分たちが進化して危機を乗り越えて生き延びる術を持っているようにはおよそ感じられない。
こうした状況と恐竜たちのいた時代とを想像力で補って見比べるならば、恐竜の生物としてのポテンシャルには計り知れないものを感じる。
やはり我々は所詮地球においての新入り・後発組なのだなと実感するのである。