フランスが文化保護のためにタブレットやスマートフォンへの課税を検討
http://wired.jp/2013/05/28/tax-for-tablets/
芸術作品などをスマートフォンやタブレットで鑑賞することがディストリビュー ターと同等であるという考え方に基づき、これらの機器に課税しようと いうこ とがフランスで検討されている。博物館や美術館で芸術作品を維持していくのはそれは大変な負担であると思う し、その財源を新たに見つけようという考え方も理解できないわけではな い。
しかし、スマートフォンやタブレットを購入することが必ずしも彼らの利害を損 なうとはいえないところにこの方策の危うさがある。
また、誰でもが気軽に参加できるはずのネットワークに少々高い参加料をとられ ることに不公平感を抱く人は少なくないだろうし、ITの次のステップ に乗り遅 れる「澱み」となるリスクがあるように思えてならない。
ヨーロッパ的な考え方だと私は思っているが、物事のハードルを上げる意図で障壁を設ける際に税率を高くするという王道のセオリーがあるように思う。
課税することで購入する人の負担が重くなり、それでも購入するか諦めるかのハードルとなるわけだ。
どちらに転んでも国は損をしない。
むしろ税金を払ってでも欲しいと思う人が多ければ儲かるという仕組みだ。
スマートフォンやタブレットを買う人は少なくとも経済的には困窮はしていないだろうし、芸術作品を保護していくための負担を惜しむような意識の低い人はいないだろうという、ユーザーに対するモデル化がある。
それが理解できる人は少なくないだろうし、私もそういわれれば無理にでも納得してしまうかもしれない。
しかし世の中の情勢は不変ではない。
ITの普及ということでは端末を手に取る人の分布も以前よりずっと広がりつつあるわけで、そうしたこれから近い将来に向けてこの課税の方針がマッチするかは疑問だ。
税の徴収とは違う収入の道を考えることはもう不可能なのだろうか。
もちろん所蔵物を切り売りなどすることはあってはならないのは当然だが。
芸術作品や文化財が自分で収入を生み出すような、そういうシステム作りの発想がまずできるといいなと思う。
私はその膨大な情報の整理と集約に金を生むチャンスはないだろうかと考える。
たとえば、専門的な知識を持った人が手がけるのと同じようにあちこちに散在する情報が自動的に整理できる仕組み。さあどうだろう。
そのカテゴリに入ってくるのは研究書から映画、音楽、ネットの掲示板まで多岐にわたっていながら自動的に集められないものは既にあまりないかもしれない。
しかも迅速に情報を分析して分類していくようなエンジンが必要だ。
そういうクローラーのようなものは個人で簡単に作れるものではないし、その個人ではできないところは資本を投入してでも作成する。
その情報の精度とコンテンツに魅力があれば、そこにアクセスするユーザにロイヤリティを設定することは可能ではないかと思うのだ。
あとは、一流の美術館は有名な絵などを店舗や公衆の場に貸し出すというのはど うかと思ったりする。
もちろん貸し出すのは本物。ただし画像データとしてだ。
美術品の画像データを遠隔から送り電子パネルにFlashのような形で投影する。
そのデータが管理元あるいは認可を受けた運営元によって有償で提供されるものであれば著作権の問題は発生しないのではないか。
駅やレストランの構内に”本物”のダ・ビンチやラファエロの絵が飾ってあったら 凄いじゃないかとか思うのだがいかがなものか。
3Dで投影できるデバイスがあればあなたの職場の休憩室にミケランジェロのダ ビデ像が立つことも不可能ではない。
まあ、とりあえず車買う段階で走るかどうかわからない高速料金の前払いをせ よ、みたいなやり方よりはいいように思うが。